まだ永久歯が生えていない通常6歳以下の場合、一部の症状を除けば治療を開始する必要はありません。
就学前のお子様には、複雑な矯正装置の使用は困難なため、デコボコに並んでいる、永久歯が生えてくるスペースが足りないなど僅かな不正咬合の場合は、この段階で治療を行うメリットはあまりないので、永久歯の前歯が生えてくるまで経過を観ることが多くなります。
ただし、下の前歯が上の前歯より前に出ている受け口(反対咬合、写真1)や、咬み合せが左右にずれている交叉咬合(写真2)などはできるだけ早期の治療が必要です。
状態にもよりますが、簡単な装置の使用で症状が改善できる場合があるため、装置の使用が可能なお子様であれば、治療を開始することもあります。
症状が改善された後も、永久歯が生えてくるまでは経過観察が必要になります。
写真1 受け口
写真2 交叉咬合
6歳前後になると、下の前歯が永久歯に生え変わり、6歳臼歯(奥歯)が生えてきます(写真3、4)。
順調に歯がきれいに生えそろっていけば、特に治療の必要はありませんが、歯の生え変わりによって、新たに不正咬合が認められるようになると混合歯列期の治療に移行します。
写真3
写真4