小学校低学年になると、上下の前歯が永久歯に生えかわります。
その後、数年かけて残りの乳歯が永久歯に生え変わる時期が混合歯列期です(写真1、2)。
写真1
写真2
第一段階、混合歯列期の治療は、成長が終わってからでは治せない上下のアゴの関係の改善や、指しゃぶりや舌を前に突き出すなどの悪いクセや習慣を取り除くことで、将来的な歯並びや顔のカタチのバランスを整えることが一番の目的ですので、症状によって様々な装置を使用します。
前歯が逆に咬んでいる「受け口」(レントゲン1)や、極端に上の前歯が突き出ている「出っ歯」(レントゲン2)などはこの時期に治療を開始しないと将来治療が困難になります。
レントゲン1
レントゲン2
デコボコに並んだ「乱杭歯」(写真3、4)も、この時期にアゴの幅を拡げることで将来永久歯を抜かずに改善することが期待できます。骨格的な問題やデコボコが軽度な場合は、この時期の治療だけで終了することもあります。
※早く始めれば必ず歯を抜かずに治療ができる。小学生の間に治療が完了するというわけではありません。
写真3
写真4
成長期のお子様の場合、気になっていた症状が改善されていても、その後の歯の生え変わりやアゴの成長などで様々な変化が起こる可能性が高いため、親知らず以外の永久歯が生え揃うまでは経過観察が必要です。
通常、乳歯がすべて抜けて永久歯に生え変わった後に、6歳臼歯の後ろから第2大臼歯が生えてきて(レントゲン3~6)、永久歯列が完成するのは小学校6年生~中学2年生ぐらいになります。
レントゲン3(8歳)
レントゲン4(10歳)
レントゲン6(13歳)
レントゲン5(11歳)
その後、さらに治療が必要な方は第二段階としてマルチブラケット装置を使ってすべての歯を動かす永久歯列期の治療に移行します。