矯正治療とは

矯正治療 / 歯列矯正とは

　矯正治療とは、悪い歯並びやかみ合わせ（不正咬合を改善し、きれいな歯並びや正しいかみ合わせ（正常咬合にする歯科治療です。矯正装置を装着し、歯やアゴの骨に適切な力をかけることで、目的の位置までゆっくりと歯を動かしていき、不正咬合の症状を改善・予防します。当院は、矯正治療を専門とする歯科医院ですので、健康的で美しい歯並びはもちろん、調和のとれた顔貌（顔つき・口元）を得られるよう治療計画を策定し、想定したゴールに向けてしっかりと治療を進めていきます。

不正咬合の悪影響

　不正咬合をそのままにしておくと、以下のような悪影響があります。

1.	むし歯や歯周病になりやすい。
2.	ものがよく噛めない。アゴの関節に負担がかかる。
3.	歯が折れたり粘膜を傷つけやすい。
4.	将来的な歯科治療への悪影響（歯並びが悪いと入れ歯や差し歯をつくるのも困難になります）。 →歯を早くに失くしてしまう原因になります。また、間接的に全身の健康状態にも影響を及ぼす可能性があります。
5.	自分の外見にコンプレックスを感じる。 →矯正治療を始める上でもっとも多い理由です。
6.	発音が悪くなる。
7.	他人に悪い印象を与える。 →矯正治療を始める動機のひとつです。特に、将来人前で話す職業等をご希望であれば、早めに治療を開始することをお勧めします。

　（1）～（4）まではすべて歯を早くに失くしてしまう原因になります。また、間接的に全身の健康状態にも影響を及ぼす可能性があります。矯正治療を始める方の理由でもっとも多いのが（6）です。
（5）、（7）についても治療を始める動機のひとつになるでしょう。特に将来人前にたって話をするご職業に就かれるのであれば早めに治療開始することをお勧めします。

　矯正治療は不正咬合を正常咬合（正しい咬み合わせ）にするための歯科治療であり、このような症状を改善、予防すると同時に健康的で美しい歯並びと調和のとれた顔貌（顔つきや口元）を目標に行っていきます。

矯正治療へのハードルと対処法

　矯正治療に不安や抵抗を感じている方も多いと思います。患者さんのハードルを、できるだけ低くしていくこともわれわれ矯正歯科医の使命のひとつと考えています。

1.	矯正治療中はむし歯や歯肉炎になりやすいのでは･･･？ →治療開始前や装置装着後に、歯科衛生士によるブラッシング指導を行っています。歯磨きの方法が間違っていると普通の人でもむし歯になりますが、正しい歯磨きさえできれば矯正治療中でもむし歯を予防することは可能です。
2.	矯正治療は痛いらしい…？ →個人差はありますが、初めて矯正装置をつけた時は痛みを感じる方が多いです。ただし、1週間もすればすっかりと痛みが退く方がほとんどです。世界中で小さな子供も行う治療であり、痛み止めを服用することも可能ですので、過度のご心配はせずにリラックスして治療に臨んでいただければと思います。ご不安な方には痛みの原因なども詳しくご説明いたします。理解を深めることで怖さもなくなると思いますので、お気軽にご相談ください。
3.	歯を抜かなければならないことがある？ →治療方法はその人の歯並びの状態だけでなく、歯の大きさ、骨格や筋肉のバランスなどを考慮して判断していきます。従って、どうしても歯を抜かないと治療できない場合もありますが、抜くか抜かないかボーダーラインの場合は歯を抜く方法、抜かない方法それぞれにメリットとデメリットをご説明し、患者さんにご納得いただいた治療方法を選択していただくこともできます。
4.	装置が目立つのが嫌！ →当医院で使用している装置は表側につけるタイプのものでも、それほど目立ちません。どうしても見えるのが嫌な方は歯の裏側に装置をつける舌側矯正装置を選択する方法もあります。
5.	治療期間が長い！ →確かに矯正治療は治療期間が長いですね。治療が辛いものであれば、その間はとても長く感じると思います。でも、治療が進むにつれて、だんだんと歯並びが良くなり、口元もきれいになっていくので、患者さんもモチベーションが上がり、しだいに月に1度の来院が楽しくなるという方も多くいらっしゃいます。当院でも、患者さんがストレスなく通院していただけるよう、できる限りの対応をさせていただきます。

矯正治療のゴールとは

　矯正歯科治療は、むし歯治療などの一般歯科治療のように「悪いところを元に戻す治療」ではなく、歯並びや噛み合わせを「新しく作り上げる」治療です。そのため、治療のゴールをどこに設定するかが重要になります。
矯正治療の目的は、骨格や歯の大きさなどのバランスを考慮した上で、噛み合わせを正常にして、患者様それぞれにとって最良の口元や顔貌にすること、そしてその状態をできるだけ維持することです。

　初診相談にご来院する小児患者の場合「小学生のうちに治療を終わらせたい」というご要望がありますが、小学生はこれから乳歯が永久歯に生え変わり、身長が伸びる時期には上下の顎が大きく変化していきますし、そもそも成長や生え変わりの速度には個人差があります。歯の生え変わり途中、顎の成長中に細かな歯の移動を行っても歯並びは変化し続けるため、小学生のうちにすべての永久歯をきれいに並べることはほどんどの場合不可能です。
この時期は、不正咬合の原因の除去や可能な範囲での骨格的な問題の改善など、永久歯が生え揃った後の治療の準備や比較的簡単な予防的治療を行いながら、歯並びが完成する間は経過観察を行う必要があります。
一部の患者さんの中にはこのような治療（第１期治療）だけで、永久歯が生え変わるころにきれいな歯並びや噛み合わせになる人もいますが、「小学生のうちに治療を終わらる」という治療目標は多くの場合達成できません。
「永久歯を抜かないで治療をしたい」という希望も多くありますが、そのために口元が大きく前に出てしまったり、噛み合わせに問題が出るような治療計画は患者様の利益にならないため、適切な治療のゴールにはなりません。
「矯正治療をしてモデルや芸能人のような口元になりたい」と期待する方がいらっしゃいますが、元々の骨格や歯の大きさ、口の周りの筋肉などは人それぞれ異なるため、歯の移動だけで希望通りの口元や顔貌にすることはできない場合もあります。
このように、患者様が希望する治療のゴールと実際に実現可能と思われる治療目標は一致しないことも多くあります。　

　当医院では初診相談のときには患者様の症状やどのような治療が可能かをお話しすると同時に、どのような治療を期待しているかなどを詳しく伺った上で、おおよその治療方針を説明しています。
その後精密検査、診断を行ったのちに患者さんにとって最も妥当な治療のゴールをご提案しています。

矯正治療とは

矯正治療 / 歯列矯正とは

不正咬合の悪影響

矯正治療へのハードルと対処法

矯正治療のゴールとは

関連ページ