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よくある質問Q&A 子供の矯正治療(6)
前回のつづきで、これまでに初診相談やメール相談でよく質問されたことについてお答えします。
Q11 乳歯が抜けたのに、なかなかおとなの歯が生えてきません。
正常な歯の生え変わりでは、乳歯が抜けると、すぐに永久歯が生えてきます。これは骨の中にある永久歯が生えてくる過程で、乳歯の根っこが吸収し、自然に脱落するからです(図1,2)。
(図1, 四角の枠に注目)
(図2, 半年後、上下各4本の乳歯が抜けて永久歯に生え変わった)
何らかの理由で、永久歯がまだ骨の奥の方にあるのに乳歯が抜けてしまうと、永久歯がなかなか生えてこない状態が続きます。
その理由とは、虫歯や打撲などいろいろですが、原因がわからないことも良くあります。そのまま様子をみていてもいい場合もありますが、あまりに遅い場合は、現在生えている歯が移動して生えてくる歯のスペースがなくなることがあるため、何かしらの処置が必要になります(図3,4)。
(図3, 一本だけ永久歯が生えるスペースが足りない)
(図4, ここまでは内側に生えるか骨の中で止まってしまう)
また、もともと永久歯の数が足りないこと(先天欠如歯)や、あとから生えてくる歯の位置が悪い場合は、いくら待っても出てこないこともあるため、心配な場合はレントゲンを撮って確認することをおすすめします(図5,6)。
(図5, 右の前歯(側切歯)が生えてこない。生えるスペースもない状態)
(図6, 図5の写真のレントゲン。前歯はもともと3本しかない。側切歯の先天欠如)
矯正治療をする人の中には、もともと歯の大きさに対してアゴが小さすぎるため、永久歯が生えるスペースがもともと足りない人もいます。
この場合は、本来生えるべきところとは違う場所に生えてきたり(図7)、骨の中に埋まったままになってしまうことがあります(図8)。
(図7, 生える場所がなく、かなり上部から生えてきた犬歯「八重歯」)
(図8, 犬歯の埋伏。隣の歯の根が吸収)
こどものうちにアゴを広げる治療はこのような状態が起きないように予防する効果が期待できます。
●埋伏歯の治療
(図9, 図8レントゲンの口腔内写真。右上犬歯が埋伏して隣の前歯(側切歯)が保存できず抜歯後、開窓術を行い犬歯の牽引開始したところ)
(図10, 図9から2か月後)
(図11, 図9から7か月後)
埋まったままの歯(埋伏歯)は、他の歯に影響がなければそのままにしておくこともありますが、邪魔な場合は抜かなければなりません。もっとも埋伏しやすいのは第3大臼歯で、大人になって痛みが出て抜くことが多い親知らずのことです。
歯並びのことを考慮して、埋伏歯を骨の中から引っ張り出すこともあります(図9〜11)。
埋伏牽引を行うには外科処置が必要で、こどもの矯正治療では、どのタイミングで行うのが良いか見極めるのが困難なことがあります。
単に引っ張り出すだけではなく、その前に必ず埋伏歯が並ぶだけのスペースを歯列に確保しなければならないため、治療が複雑で期間も長くかかることが多くなります。
よくある質問Q&A 子供の矯正治療(5)
新年明けましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか?
今回も、初診相談やメール相談などで皆様からよく質問されることについてお答えしていきます。
Q9.こどもの時に治療すると、大人になってから元に戻るのでしょうか?
この質問は、成人の方が初診相談のときに「こどものときにやっていたのですが、元に戻ってしまって・・・」というお話をたまに耳にするので、それに対する答えです。
当医院で治療を開始されている方はご存じと思いますが、子供の治療(混合歯列期の治療)と大人の治療(永久歯列期の治療)は治療方法や目的が違います。
こどもの治療では、主にこれから生えてくる永久歯がきれいに生えてくるよう顎を広げたり、骨格に問題がある場合は、できるだけそれを悪くならないように顎の成長を調節したり、予防的な治療を行います。
結果としてこのような治療だけで、親知らずを除く全ての永久歯がきれいに並んで、かみ合わせも問題ない状態になることはありますが、個々の歯の細かい位置の修正などはマルチブラケット装置を用いた大人の治療が必要になります。
また、こどもの治療を行っても十分な治療効果が出ないこともあるため中学生以降に大人の治療(永久歯列期の治療)で、抜歯が必要になるケースもあります。
「こどもの時治療したのが元に戻った」と聞いた場合に、考えるのは(1)適切な治療を行っていたかどうか?ということと(2)一度治ったのが元に戻ってしまう原因があるのか?ということです。
つまり、こどもの時に当時生えていた永久歯だけをきれいに治して、治療が終わったと考えて、その後残りの永久歯が生えてきたために治した歯並びも動いたために「元に戻った」と思っているかもしれませんし、きれいに治った後に、保定装置を使用しなかった可能性もあります。このような治療は(1)の適切な治療が行われなかったために起こった「後戻り」です。
また、受け口が一度は治っていたのに思春期の成長期に、元に戻ってしまった。あるいは、以前ご説明したような唇をかむ癖、口で呼吸をする癖などが治っておらず、出っ歯や開咬などの症状が成長と共に目立つようになった。という場合は、(2)の原因のある「後戻り」ということになります。
「こどもの時治療したのが元に戻った」という人の場合はこの二つのどちらか、あるいは両方が理由のことがほとんどです。混合歯列期に治療を開始しても、親知らずを除く全ての永久歯が萌出するまで経過を観ていかなければ「いわゆる こどもの矯正治療」は完了ではありません。また、マルチブラケット装置による治療を行った後は必ず保定装置を使用しないと、歯並びは悪くなってしまいます。
まとめると、こどもの時の矯正治療だけで症状が改善されることはありますが、すべてのケースではないということ。また、せっかく良くなっても、成長による変化や、保定をしなかった(できなかった)ために歯並びが悪くなることがあるため、「こどもの時の矯正治療は、大人になってから元に戻る」と誤解されることがあるということです。
Q10.子供の矯正治療中に特に注意することはありますか?
こどもでも大人でも、使用する装置が同じであれば注意することは同じはずですが、特にこどもの場合注意すべき点は、
(1) 歯磨きがうまくできない
(2) 装置の取り扱い
(3) 状況や状態を正しく説明できない
などが挙げられます。
(図1)
(図2)
図1,2を見比べると、同じ年代のお子さんで同じ固定式の装置を使用しているのですが、図2の方は歯磨きが不十分で歯肉炎になっています。
図3はお子さんによく使う取り外しができる拡大装置ですが、使い方を十分説明してもいろいろ理由をつけて使わなかったり、装置を外して遊んだりして、正しく使用できないために予定通りに歯が動かないことが時々あります。
また、大人の場合はめったにありませんが、こどもの場合はたまにどこかで外して失くしてしまうことがあります。
(図3)
(1)、(2)については、個人差がありますので問題なく歯磨きもできて、説明通りに装置を使用できるお子さんが半数以上です。ただ、成人と比べるとどうしてもできない人の割合が多いため、ご家族の方が仕上げ磨きをしてあげたり、ちゃんと使っているか確認してあげる必要があります。
(3)は、たとえば図1,2のような装置が壊れてしまったときに、大人であれば「○○を食べているときに奥歯で咬んだら装置が取れた」というように壊れた状況が理解、説明できるため次回からは壊れないように食事を注意したり、術者側でも対応ができます。
しかし、お子さんの場合はそのような説明が出来なかったり、正直に外れたときの状況を言わなかったりすることも考えられるので、再発しないように対応するのが難しい場合があります。
ただ、このようなことはお子さんの治療では仕方がないことですし、何度も繰り返さなければ治療に大きな影響はありません。
よくある質問Q&A 子供の矯正治療(4)
Q7.取り外しのできる装置だけで治療は可能ですか?
こどもの矯正治療で使う装置には、自分で取り外しができる装置と固定式の装置があります。
以前にもお話ししたように、装置は患者さんの症状に応じて選択しますので、全てのお子さんが同じ装置で治療するわけではありません。
また、取り外しができる装置の中にも食事の時以外、常に付けておくものと、夜間だけ使用するものがあります(図1、2)。
お口の中に固定装置を入れて、そこに取り外しのできる別の装置をひっかけるものもあります(図3、4)。
図1拡大床装置:24時間使用
図2バイオネーター:夜間のみ使用
図3ヘッドギア:家庭内のみで使用
図4プロトラクター:家庭内のみで使用
これらの装置は、顎を広げたり前後のかみ合わせを治すなど、比較的大きな変化をもたらすために使用するので、細かな歯並びに問題がある場合は、取り外しのできる装置の後で、固定式の装置が必要になることがあります(図5)。
図5部分的なブラケット装置
また、子供の治療の場合一つだけの装置で治ることはむしろ少なく、複数の装置を使うケースが多くなります。
最近よく広告などで見られる取り外し可能な装置「いわゆるマウスピース矯正」というものがあります(図6)。
これはすべて永久歯になった成人用の装置ですので、子供の治療には使えません。
図6マウスピース型の矯正装置
ここに紹介した以外にも矯正装置には様々な種類があり、ネット上の広告や記事などで、色々な断片的な情報を得る機会も多いため、取り外しの装置だけで治るのものだと勘違いする方もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなケースは、割合としてはかなり少ないと思います。
さらに、誤解を招く例としては、お知り合いの方から「取り外しができる装置だけで治った」という話をお聞きになった場合、それは「(すべての歯並びがきれいに)治った」のではなく、「(気になっていた受け口が)治った」「(前歯のでこぼこが)治った」だけという可能性があります。
永久歯全てがきれいに並んだのを確認できるのは、早くても小学校高学年、平均的には中学生になってからです。
Q8.矯正装置を付けるときの子供への負担が心配です。
ご両親や親しいお知り合いなどに、矯正治療の経験者がいない場合、小学生以下のお子さんが矯正治療を受けるのが、どれくらい負担になるかご心配になるのは当然のことと思います。
使う装置の種類にもよりますが、一般的に考えられる治療中の負担は
?装置の違和感
?装置の接触による舌や頬などの痛み
?歯や顎の移動、変化による痛み、
などが挙げられます。
?についてはほとんどの装置を付けた場合起こりうることです。
いままで何もなかったお口の中に、針金や入れ歯のようなものが入るわけですから、大人、子供にかかわらず何かしらの違和感は生まれます。
初めのうちは発音がしづらくなるかもしれません。
取り外し可能な装置の場合は食事の時にはずせるので、食べる際の違和感はありませんが、逆にいちいち取り外すことがお子様にとっては煩わしく負担になる可能性があります。
ただ、治療を受けた患者さんに尋ねると、ほとんどの人が1か月過ぎるとあまり気にならなくなるようです。
?についても同様で、初めは痛くて気になっていた人も、徐々に粘膜が固くなるので、1か月を過ぎたあたりからは慣れてくるようです。
ただし、初期の痛みがなくなっても装置が壊れてしまったり、歯の位置やかみ合わせが変わることで、新たに痛みが出ることもあります。
そのような場合は装置を調整して改善することもできますので、おかしいと感じたときは来院されることをおすすめします。
?については使用する装置によって感じ方が違うようです。
図1〜4の装置は、すごく痛かったというお子さんはほとんどいませんが、図5の装置については、初めは痛かったという人が時々います。
通常このような痛みは3〜4日でおさまるので、その期間だけはある程度我慢していただかなければなりません。
どうしても痛い場合は痛み止めを飲んでも構いませんが、そのようなケースは稀です。
???共通に言えることは、違和感や痛みは感じ方の個人差が大きく、また、ご本人の性格的なものも関与するものなので、術者も保護者の方もお子様にどのように説明すればいいか難しいところです。
もし、治療前に不安がある場合は治療中の方や治療をしたことのあるお知り合いの方などに、どんな感じだったか訊いてみるのが一番いいと思います。
よくある質問Q&A 子供の矯正治療(2)
前回のつづきで、これまでに初診相談やメール相談でよく質問されたことについてお答えします。
Q3.矯正治療が必要かどうかよくわかりません。
初診相談時に、ご本人や保護者の方が「前歯が逆になっている」「全体的に歯がデコボコに並んでいる」など、はっきりとした治したい症状、主訴がある場合が多いのですが、中には「歯科検診や他の歯科医院で指摘されたが、どこが悪いのかはっきりわからない」「今は気になるところはないが将来的にどうなるか不安」といった理由でご相談にいらっしゃる方もいます。
お子さん自身が「歯並びを治したい」とはっきり意志表示することはあまり多くありませんので、保護者の方が歯並びについてどう考えていらっしゃるかが、矯正治療の必要性に大きく関与します。
学校歯科検診では、担当する先生によって判断が大きく違わないように不正咬合のガイドラインがあります。
たとえば、
反対咬合(受け口)であれば「前歯が2本以上が逆にかんでいる」、上顎前突(出っ歯)は「上の前歯が下の前歯に対して7〜8mm以上出ている」と、いった具合です。
したがって、学校検診で指摘を受けた場合は、たとえ保護者の方が気にならなくても、高い確率で治療が必要な症状があるはずです。
就学前や小学校低学年のお子様で多いのが将来どうなるか心配で相談にいらっしゃる方です。
通常小学校に入る前に下の乳前歯が抜けて永久歯が生えてきますが、その時点で歯がデコボコになっているのに気が付くことが多いようですが、このような場合は受け口や交叉咬合といった症状がなければすぐに治療を始める必要はありません。
上はまだ乳歯、この時点では治療せず
1年後、この段階から治療開始
上の前歯も生え変わるころから治療を開始しても十分間に合いますし、お子さんにとってもそのほうが負担が少ないように思います。
子供の矯正治療の必要性について矯正医としては「最終的に永久歯がすべて生えそろった時にできるだけ理想に近い咬合にするために、混合歯列期のほうが改善しやすい症状(骨格や悪習癖、かみ合わせのずれなど)は早く治しておきたい」と考えます。
また、すぐに治療を始める必要がなくても、しばらく経過を追っていくことで、わかってくること(歯の生え方や、かみ合わせの異常、癖など)もあります。保護者の方が矯正治療の必要性について判断できないのは当然ですので、「よくわからないけど歯並びが心配」という場合は一度矯正医に相談していただくのが一番だと思います。
Q4.歯科医院によって治療方針が違うので、どうすればよいかわからない。
矯正治療を始める際に、複数の歯科医院に相談に訪れる方もいらっしゃいます。複数の先生の意見をきいてどこで治療を始めるか検討することは悪いことではありません。
大人と比べ治療期間が長くなるお子様の治療は、治療前によく考えて、納得してから始めるほうが治療中の不安も少なくなるかもしれません。
「A歯科医院では取り外し式装置を使うといわれたが、B歯科医院では固定式の装置を使うといわれた」
「C歯科医院ではすぐ始めるといわれたがD歯科医院ではもう少し待つようにいわれた」
など、患者さんの立場からすればどれが正しいのかわからず困ってしまうかもしれません。
しかしながら、「どのような装置を使うか」「いつからはじめるか」という問題は一般的な考えから大きくずれていなければどれでも正解と思います。
先ほどの例のように、まだ永久歯がほとんど生えてないのに治療を始めるのは「?」ですが、適切な開始時期を逃さないために早めに準備をしておくために、少し早くから治療を始めたいという先生もいるかもしれませんので、開始時期が多少違っているのはどちらも間違いではないと思います。
使用する装置についても、術者の好みやこれまでの経験などで選択が違うことはよくあるので、効果が同じ装置の場合は取り外し式でも固定式でも正解と思います。
どこで治療をはじめても同じだとは言いませんが、いろいろ治療方法をきいて、もっとも納得できたところではじめればいいと思います。
一つだけ注意してもらいたいのは、相談した先生に矯正治療の経験が十分にあるかどうか、大学病院等の矯正歯科で研修を受けていて専門的な知識があるかどうかいう点です。
患者さんがこのことを確認するのは困難ですから、診療科目が「矯正歯科のみ」の矯正歯科専門の歯科医院ならまず間違いありません。
それ以外の歯科医院では担当医に「日本矯正歯科学会の認定医」の資格があることが一つの目安になります。※それ以外の先生が全くダメというわけではありませんが・・・。
正しい嚥下と誤った嚥下(2)
前回説明した「正しい嚥下」のポイントをまとめると以下の5つになります。
1) 舌の先がスポットについている(図1)
2) 唇は閉じてリラックスしている
3) 奥歯は噛んだ状態
4) 舌の先から真ん中、後ろへと徐々に上顎の裏(口蓋)を吸い上げる
5) 舌後方部(奥の部分)が軟口蓋(ノドの奥)と接触する
4)、5)は自分で認識するのが少し難しいかもしれませんが、1)、2)、3)はすぐに確認できると思います。食事の時に口の周りが汚れやすい人は、鼻呼吸が苦手なために口が開いていたり、物を飲み込む時に舌が前に出ていることが原因なので、要注意です。
逆に飲み込む時に唇や周りの筋肉が緊張している人は、舌の圧力で食べ物が飛び出ないようにしていることが原因の可能性があります。奥歯を噛みしめずに飲み込んでいる人は多くの場合、上下の歯の隙間に舌が入り込んでいるためと思われます。これらの習慣は以前お話ししたように上顎前突や開咬などの不正咬合の原因となります。
図(1)スポット(切歯乳頭後方部)
正しい嚥下ができない原因
1)〜5)の条件を満たした状態で物を飲み込むことが「正しい嚥下」になるので、トレーニングを行っていくのですが、どうしてもできない場合もあります。口呼吸をする人の中には、鼻やのどの病気(アレルギー性鼻炎、扁桃肥大など)が原因のことが多く、症状がひどければ鼻での呼吸ができないので、耳鼻科での治療を先に行う必要があります。また、舌小帯(舌の下にある筋 図?)がもともと短い舌小帯短縮症の場合、舌が口蓋まで持ち上がらないため、切除が必要になります。舌が上に持ち上がらない人は発音にも影響が出ます。
上記のような問題がなくても、舌の力が極端に弱かったり、舌を思うように動かせない人には、まずはじめに舌を動かすためのトレーニングが必要になります(ベーシックエクササイズ)。また、指しゃぶりや鉛筆を噛むなどの癖がある人は、トレーニングを始める前に止めるようにします。症状によっては、顎を広げたり前歯を並べるなどの矯正治療を先に行う場合もあります。
図(2)舌小帯
1)ベーシックトレーニング
舌を動かすトレーニングです。これらの動きができない場合は、正しい嚥下ができないため、まずこの運動から始めます。嚥下に問題がある人は?や?の動きが苦手の人が多いです。舌の先だけでなく舌の真ん中を意識的に動かすことが難しいようです。
初めはできなくても毎日練習すればほとんどの人はできるようになります。
2)レッスンの内容
ベーシックトレーニングができるようになったら、正しい舌の位置を覚えること、そして正しく嚥下するための舌の動かし方を覚えます。
ポッピング、オープンアンドクローズ、タングドラッグなどの運動は、嚥下に問題がある人が普段使っていない舌の筋肉を鍛える運動です。<参考文献> 舌のトレーニング/わかば出版株式会社
正しい嚥下と誤った嚥下(1)
不正咬合と嚥下の関係
● 嚥下とは
食事を摂るとき、食物を認識して噛みくだき(咀嚼:そしゃく)、飲み込みやすくして、口の中(口腔)から咽頭へと食物を送り込みます。 その後咽頭から食道、食道から胃へと食物を送り込みます。 この、一連の流れを(摂食・嚥下)といい、嚥下:えんげとは、ものを飲み込み胃に送ることを示します。
● 不正咬合と嚥下の関係
小児を対象にした嚥下時の舌圧を計測した研究結果では、その力は大体400g/cm2ほどだったそうです。また、指しゃぶりをする小児の口蓋前方部(上アゴの前歯の裏側辺り)にかかる指による圧力は3〜4kg/ cm2ほどだったそうです。
ちなみに、矯正治療でエッジワイズ装置を使って前歯を後方に移動させるときの最適な力は、1歯に対して数十gと言われていますので、舌の力は矯正装置の力と同じかそれ以上に強いわけです。
別の研究によると、嚥下運動の回数は1日約600回で、平常時が2〜3分に1回、食事時が15〜20秒に1回くらいとされています。1日でこれだけ多くの回数、舌や頬、顎の筋肉を動かすわけですから、それが誤った方法で行われ続ければ、歯並びや顎の骨の形態に影響を与えることは容易に想像できると思います。
小児嚥下と成人嚥下
(1)乳児(型)嚥下
人が生まれて初めておこなう栄養摂取は哺乳 (おっぱいを飲むこと)です。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中はこの哺乳を行うために適した形になっています。また、哺乳のため、哺乳反射(赤ちゃんが口に入ってきたものを反射的に吸う行動)という機能が備わっています。この哺乳反射により、主として舌の動きによって連続した乳汁摂取(おっぱいを飲み続ける)がなされます。この頃の嚥下は、
1.口を大きく開けたま
2.口腔内の奥まで乳首を引き込み
3.舌を前後に動かすことで嚥下する「乳児嚥下」とよばれる動きです。
(2)乳児嚥下から成人嚥下へ
乳児期に特徴的な口腔内の形態は、成長とともに著しく変化し、やがて消えていきます。また、下顔面の成長とともに咽頭腔(のどと声帯の周辺)が拡大し、喉頭の位置も下がっていくため、嚥下の動きは乳児嚥下から成人嚥下へと変化していきます。このような機能面の成長発達に伴い、また、大脳の発達と共に、反射による動きから、随意運動による「成人嚥下」の機能を獲得していきます。
(3)成人(型)嚥下
成人嚥下とは1.口唇を閉じ2.咀嚼や舌の動きによる食塊形成ができ、3.舌を口蓋(上顎の裏)に付けて4.上下の歯がかみ合った状態でものを飲み込む動きをいいます。
「誤った嚥下」では、唇は閉じていても、乳児嚥下のように歯と歯の間に舌が突き出ており、十分に舌が持ち上がっていません。また、飲み込むたびに前歯に舌の圧力がかかっています。
歯並びと癖の関係(5−2)
前回は、舌の癖の発音への影響についての話でした。今回ももう少しだけこの話をします。
4)構音(発音)の誤り
(1)聴覚印象による分類
構音の誤りは聴覚印象に基づき?省略?置換?歪みに分類されます。省略とは子音部分が抜けて母音だけが聞こえる誤りです(例:ダッコ→アッコ、ダメ→アメ)。
置換とは子音部分が他の子音に置き換わる誤りです(例:タイコ→カイコ、テレビ→テベビ)。歪みとは、正しい発音ではなく聴き取りづらい、日本語では表記できないような音になる誤りです。
(2)構音パターンによる分類
?構音位置の誤り
例1:歯間化構音:舌先を上アゴ近くに持ち上げて発音するサ行の音が、上下前歯の間に舌先が前方に出て発音するため、英語の/th/のように聞こえる。例2:構音位置の前方化:カ行の発音は舌の中央、後方部を上に持ち上げて行うが、これを舌先で構音するためにカ行とタ行が同じ音になる(カモメ→タモメ)。
●構音(発音)の誤り
例1:弾き音の破裂音化:ラ行は舌先を上アゴまで持ち上げて前後に弾く動作が必要だが、弾く動作が出来ずに破裂音になりラ行がダ行になる(ラジオ→ダジオ)。例2:摩擦音の破裂音化:サ行とタ行は同じ構音位置だが、サ行は空気を喉の奥から上前歯方向に少しずつ吐き出す摩擦音で、タ行は空気を一気に吐き出す破裂音の違いがあるが、これが同じになってしまう(サカナ→タカナ)。
そのほかにも、舌の動きが未発達なために起こる発音の誤りはあります。(口蓋化構音:こもった感じの音。タ行→カ行、ダ行→ガ行、ラ行→ガ行などに聴こえる。
側音化構音:シ→ヒ、チ→キ、ジ→ギのようになる、こもって唾液が混じったような雑音。)
5)構音訓練とMFT
構音訓練とは発音の誤りが習慣化し聴覚的に正しい音を聞かせても模倣が見られず、発達年齢から考えても自然改善が望めない場合に行うそうです。大体5歳頃から開始するのが一般的なようですが、訓練には言語聴覚士(療法士)の指導が必要なため、小児科のある比較的大きな病院で実施していることが多いようです。歯科で実施している所は大学病院以外ではほとんどないと思います。
●MFT(筋機能訓練法)
構音障害の改善には言語聴覚士による構音訓練だけではなく、歯科医師、歯科衛生士によるMFTを実施することで、効果が上がることがあります。先ほど説明した歯間化構音、口蓋化構音、側音化構音は舌の訓練により、発音の改善が期待できます。
以下の図は当院で実際に行っているMFTのためのテキストの一部です。毎日地道なトレーニングが必要で、成果がなかなか上がらないことも多く、実際に続けるのはなかなか大変ですので、お子様には保護者のご協力が必要になります。また、お子様だけでなく大人の方でも効果があります。
歯並びと癖の関係(4)
口呼吸の原因と影響
前回からは舌突出癖の原因と影響についてお話ししましたが、今回は口呼吸について説明します。
1)口呼吸の原因
胎児は母親のお腹の中では呼吸をしておらず、生まれると同時に肺呼吸を始めます。新生児は哺乳中、鼻呼吸で睡眠中も鼻で息をしています。生後6ヶ月頃からアー、ウーなど発語するようになり、これが口で意識的に息を吐く最初の行動といわれています。
通常、鼻での呼吸が困難になると、代わりに口を開けて息をするようになります。鼻呼吸が困難になる原因は鼻閉(鼻づまり)です。
生後6ヶ月、母親からもらった免疫効果が失われて発語が始まるころから、乳児は様々な病気にかかりやすくなるといわれていますが、風邪はそのもっと初期的、一般的なものです。
風邪をひくと鼻の粘膜が腫れて鼻呼吸が困難になり口呼吸になります。風邪をひいて、それが治ることを繰り返すことで、鼻閉時に口呼吸をすることを覚えていきます。
風邪以外に鼻閉又は鼻呼吸障害を起こす病気にはアデノイド、扁桃肥大、アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲など、色々ありますが、もっとも一般的で頻度が高いのが、アデノイド肥大と(口蓋)扁桃肥大です。
※アデノイドや口蓋扁桃が肥大すると気道が狭くなるので、鼻だけでなく口からも空気を取り入れようとするため口呼吸が習慣化しやすい。
鼻呼吸障害による口呼吸は成人でも同じように起こりますが、まだ未発達で、自分の意志で長時間口を閉じ、鼻で息をするのが困難な乳幼児や小児の場合、口で息をするのに慣れてしまうと、鼻閉が治っても鼻呼吸をせずに普段から口呼吸になってしまうことがあり(口呼吸の習慣化)このような場合、歯並びだけではなく、顎顔面形態、心肺機能、精神身体発育にも影響を及ぼすという報告もあるようです。
また、何らかの理由で前歯が生え変わるころ、永久歯が外側に傾斜し、いわゆる「出っ歯」や「上下顎前突」になることで、口が閉じずづらくなり、その結果鼻呼吸が可能なのに口呼吸が習慣化してしまう場合もあります。
2)鼻呼吸と口呼吸の違い
私たちが普段吸い込む空気には様々な雑菌(病原菌)が含まれていますが、鼻呼吸では病原菌の50〜80%は鼻の粘膜に吸着し処理されます。
冬の冷たく乾いた空気も鼻腔(鼻の奥の空間)で暖められ、湿度を含んだ状態で喉(のど)まで到達します。加湿が十分だと肺にある肺胞粘膜から酸素がスムーズに吸収でき、身体にも十分な酸素が供給されるので免疫力も向上するといわれています。
一方、口呼吸では口から吸入した空気は、そのまま喉まで入ってしまい、喉の粘膜が様々な病原菌に無防備にさらされることになります。
喉には、温度、湿度の調節機能がないので、外気を吸い込んだ時とほぼ同じ状態の空気が喉へ到達するため、喉を乾燥させたり、冷やしたりして、リンパ組織に損傷を与えることになります。
また、空気が鼻を通らないと、鼻腔は汚れが停滞してしまい、鼻粘膜が炎症を起こして肥厚するため、鼻の通りが悪くなり、その結果酸素が吸収されにくい環境になります。
3)口呼吸と食事
鼻呼吸が出来ず口で呼吸しながら食事をすると、物を噛んだり、飲み込んだりする食べ物の処理と、呼吸が協調せず、むせやすくなったり、口を開けているので、くちゃくちゃと音がしたり、食べ物が口の周りに付いたりしやすくなります。
4)口呼吸の歯周組織への影響
口呼吸が習慣化すると、常に口が開いているので口の中が乾燥し、食べ物や飲み物によるやプラークの石灰化が起こりやすくなります。
プラークの石灰化とは、食べかすが歯にこびりついて固くなった状態のことで、通常の歯磨きでは落としきれない頑固な汚れのことです。
この状態が続くと、歯磨きをしっかり行っても汚れが取れず、色素沈着や口臭の原因になるだけでなく、炎症が治りにくくなりため、歯肉炎が慢性化して歯肉の肥大や角化が起こります。
口呼吸が原因と思われる歯肉の肥厚
※歯はきれいに磨けているが歯肉は腫れているように見える
また、口呼吸が原因で舌の位置が下がり、常に舌で下顎前歯を押すようになったり(低位舌)、飲み物や食べ物を飲み込むたびに舌で前歯を押す癖(異常嚥下癖、舌突出癖)がついたりすると、歯を支えている歯周組織が弱り、歯周病を誘発します。
低位舌、舌突出癖
※上下の歯の隙間から舌が見える。普段から舌で前歯押している様子が伺える
歯並びと癖の関係(3)
舌突出癖
引き続き「歯並びと癖の関係」のお話をします。前回は「舌突出癖」の種類について説明したところ終わりましたので、今回はその種類と原因、影響についての話です。
●舌突出癖の種類
「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」とは簡単に言えば、安静時、嚥下時(食べ物、飲み物を飲みこむ時)などに、正常ではない舌の動かし方をする癖のことです。普段の舌の位置や嚥下時の突出の仕方によって6種類に分類されます。
癖の種類によって引き起こされる不正咬合の症状も異なります。
(1)前方突出型?前歯部開咬タイプ:嚥下時に舌が前に突出して安静時も上下の前歯の間に舌がある?上顎前突タイプ:安静時も舌が上の前歯を押していて、下の前歯は内側に倒れている。
(2)上下顎突出タイプ型:安静時に舌は上下の前歯の裏側に接しており、嚥下時に上下の前歯を押すため上下顎前突を呈する
(3)片側性突出型:安静時、嚥下時に前ではなく舌が左右どちらかの上下の側方歯(横側)の間に入り込み、側方に開咬がみられる。反対側の側方歯は噛んでいる状態。
(4)両側性突出型:安静時、嚥下時に舌が左右の上下側方歯の間に入り込み、前歯と奥歯のみが噛んでいて、犬歯、小臼歯は咬合していない。
(5)全突出型:嚥下時に舌がすべての歯を押している。噛んだ時に接するのは奥歯のみで、安静時は低位(下側)にある(右上写真)。
(6)下顎突出型:嚥下時に舌が下の前歯又は下の歯列全体を押している。重度の下顎前突(受け口)に多くみられ、外科手術による治療が必要になることが多い。
■全突出型の舌突出癖
●舌突出癖の原因
舌の癖がおこる原因は一つだけではなく色々な原因が重複して起こっていることが多く、そのため改善が困難なことがよくあります。
(1) 指しゃぶり:前回説明しましたが、長期間続く指しゃぶりや衣服やタオルなどを噛む癖も上下の前歯の萌出を妨げ、開咬を引き起こします。
この結果、嚥下時や安静時に上下の前歯の間に舌を挟むような癖がおこりやすくなります。
(2)舌の大きさと舌小帯:口の中の容積に対して大きすぎる舌(巨大舌)や舌の裏側にある細い筋(舌小帯)が短すぎる場合、舌が正常に運動できないため、正しい嚥下ができなくなります。また、安静時にも下方に位置しやすくなり(低位舌)開咬になりやすくなります。
■大きい舌により生じた開咬と反対咬合
(3)歯の欠如:外傷や早期に虫歯で抜いてしまった乳歯、先天性の歯の欠損は、歯列に隙間が生じるためその隙間に舌を突き出しやすくなります。
(4)上下の顎の位置関係:下顎の過成長や劣成長など骨格的要因により、上下のかみ合わせが極端に悪い場合、噛んだ時に上下の前歯に隙間が生じます。その隙間を埋めようとして舌が突出することがあります。顎の位置関係は遺伝的な要因が関連している場合が多くあります。
(5)アレルギー性鼻炎、扁桃腺、アデノイド肥大など:鼻咽腔疾患があると口呼吸をしょうじます。口呼吸は口から空気を吸いやすくするために口をあけて、舌の位置も下方や前方になり、嚥下時にも突出するようになります。
(6)口腔周囲筋の低下:口呼吸が習慣化すると唇を閉じる筋肉(口腔周囲筋)が弱くなり、さらに口が閉じづらくなります。本来は唇の力によって内側に向いているはずの歯が舌の圧力によって外側に押し出
され、開咬や上下顎前突、歯に隙間が生じ、ますます口を閉じるのが困難になるため、舌を前に突出しやすい歯並びに変化していきます。
●舌突出癖の影響
(1)機能的影響
?嚥下:正しい嚥下ができず、噛んだ食べ物が舌に押し出され歯列の外側に出てしまい、口の周りが汚くなります。開咬になると、前歯でものが噛めないため、奥歯ばかり使うようになり、奥歯の寿命が短くなることがあります。
?発音:舌が正しく使えないために発音が不明瞭になりやすく、特にサ行、タ行に影響が出ます。
※嚥下、発音については後日詳しく説明する予定です。
(2)形態的影響
前述したように舌突出癖は前歯や側方歯を押すため、様々な不正咬合を引き起こします。不正咬合は舌癖だけではなく骨格や唇や頬の筋肉、咀嚼筋(噛んだり口を開閉するための筋肉)とも深く関連しているため、舌の癖がある人がみんな同じ歯並びになるというわけではありません。
また、初めはそれほど歯並びに影響がないような癖も、長年放置することで症状が悪化して、骨格にまで変化を生じさせるケースもあります。歯の位置や骨格が変化すれば当然、軟組織(口元や顔つき)にも影響が出ます。
■下顎の成長方向が下方で扁桃肥大と舌突出癖のある上下顎前突。口元が突出している。
■下顎の成長方向は前方で、舌突出癖がある開咬。口元は引っ込んでいる。
歯磨きのコツ(3) 歯磨き粉の成分
歯を磨くときに歯磨き粉を使う一番の理由は、歯に付いた汚れを効率よく落とすためです。
上の歯磨きの成分表の中で、その役割を果たすのが清掃剤(研磨剤)です。
研磨剤というと、台所で使用するクレンザーを想像するかもしれませんが、一般的な歯磨き粉には歯を傷つけるほどの強力な研磨剤が入っているわけではありませんので心配要りません。
湿潤剤、発泡剤、粘結剤は清掃剤をうまくお口の中に行き渡らせるための成分で、香味剤は味や香りをよくすることで、歯磨きをしやすくする成分です。
前回お話したように、発泡剤が多すぎるとお口の中が泡だらけになり、かえって磨きにくくなったり、磨けたと錯覚して磨き残しが増えたりするので、お勧めしたいのは低発泡性の歯磨き粉です。
香味剤には一般的には清涼感のあるミントやメントールがよく使われますが、これもスッキリしすぎて磨けたと勘違いして磨き残しが起きる原因となりますので、あまり刺激が強いものはお勧めしません。
子供用歯磨き粉は、大人用の歯磨き粉と比較して成分が大きく違うわけではありません。
大人用の歯磨き粉が、ミントやメントールの香りが主流なのに対して、子供用は、歯磨きがしやすいよう刺激が少なく、
子どもが好むイチゴやブドウなど甘い味付けがしてあるだけです。ですから、大人の方でもミントが苦手な人は子供用を使っても問題はありません。
薬用成分とは、汚れを落とす歯磨き粉の基本的な成分にプラスして配合される薬剤で、フッ化ナトリウムなら歯を強くする、トラネキサム酸なら歯周病による出血の抑制といったような効能があります。
成分ではなく、形状で分類すると、次の4種類になります。
1)チューブタイプ
中身はペースト状、練り歯磨きとも呼ばれる。研磨剤、発泡剤などの成分配合でもっとも一般的なタイプで種類も豊富。
2)ジェルタイプ
とろみのある半透明のジェル状で、チューブ入りボトル入り両方あり。1)に配合される研磨剤の含有量が少なく、歯や歯茎に優しい。発泡剤無配合のものは電動歯ブラシでの使用に最適。
3)液体タイプ
マウスウォッシュ、洗口剤と呼ばれる。液体のため歯磨き粉と呼べるかは疑問。薬用成分は入っているので、炎症の抑制効果などはあるが、汚れを落とす効果はあまり期待できない。他の歯磨き粉と併用するか、どうしても歯を磨く時間がないときに使う程度がよい。
4)粉末タイプ
缶入りのものが多い。チューブタイプが発売される19世紀ごろまではこちらが主流だったため、ペースト状の歯磨剤(練り歯磨き)が主流になっても昔の名残りで「歯磨き粉」と呼ばれている。近年では無添加やオーガニック素材の歯磨き剤に利用されることが多い。
いかがでしたか?歯磨き粉にもいろいろな種類があること、種類によって効能や使用目的が違うことがおわかりいただけましたか?次回はあなたにあった歯磨き粉の選び方についてお話したいと思います。