不正咬合の種類について(3)
矯正治療をもっと知りたい vol.4
不正咬合の種類について 叢生
皆さま、こんにちは。株式会社Value Linkの野々村です。
前回のニュースレターでは、“不正咬合の種類 叢生” について、お聞きしました。
今回は、“不正咬合の種類②叢生(そうせい)の続き” について清村先生に聞いてみました。
野々村(以下N): 叢生の場合、具体的にどのような装置を使いますか?
先生: はい、下の写真①はアゴの幅を広げる装置でで、取り外しができるタイプのものです。これ以外にもいろいろなタイプがありますが、このような装置でまずアゴの幅を広げて歯が並ぶスペースを確保してから、今度は「ブラケット」という金具を歯に接着して細い針金を調整してデコボコを治していきます(写真②、③、④)。
[ 写真① 拡大装置 ] | [ 写真② ] |
[ 写真③ ] | [ 写真④ ] |
このケースはまだ乳歯が残っているお子さんですが、永久歯がすべて生え揃っている場合はこの装置をすべての歯に接着して治していきます(写真⑤)
N: 次に、この叢生の原因についておたずねします。昔の人と比べてやわらかいものばかり食べているから、アゴの発育が悪くなっているのでしょうか?
むし歯予防で叢生の予防になることも・・・
先生: うーん・・・そのような影響もあるのかもしれませんが、だからといって硬いものばかり食べ ていれば、アゴが大きくなるというわけでもないので、それだけが原因ではないと思います。以前お話したように歯の大きさやアゴの大きさは遺伝します。もともと歯が大きいご両親のお子さんの歯は、やはり大きいですから、遺伝的要素の影響は強いと思います。それから、むし歯で早期に乳歯が抜けてしまうことも叢生の原因のひとつですね。下の写真を見てください。
少し見づらいかもしれませんが、一番うしろに見えているのは6歳臼歯です。左側は乳歯が2本抜けてしまっていますね。
左側の6歳臼歯はこのままだと矢印の方向に移動してしまいます。そうすると本来乳歯が抜けた後に生える予定の永久歯(小臼歯)の生える場所が無くなって左側はひどい叢生になってしまいます。
N: なるほど。むし歯をそのままにしておくと歯並びが悪くなる原因になるわけですか・・・では、治療はいつから始めればいいでしょうか?
先生: そうですね。デコボコの程度やその人の歯の生え変わりの早さにもよりますが、できれば永久歯が生え揃う前、永久歯の前歯が生えてきた頃がいいですね。
この時期にレントゲンを撮影して、いつ永久歯が生えてくるか、骨格に異常がないかなどがわかっていたほうが、将来的に歯を抜かないで治療できる可能性が高くなりますし、もし、すぐに治療が必要でなくても、一番いいタイミングで治療を開始することができるようになりますからね。
N: なるほど。では、叢生はどのような方法で治療しますか?
先生: そうですね。歯並びが悪くなる原因は、歯やアゴの大きさなどが遺伝する先天的なものと、成長過程や生活習慣などの後天的なものと、大きく2つに分けられます。
N: そうですか。検査を受けておけば、治療にベストなタイミングがわかるわけですね。今回もいろいろ勉強になりました。
矯正治療のご相談は、埼玉県川口市の清村矯正歯科まで